我が家のIHクッキングヒーターは3口のうち右側1口だけがオールメタル対応です。
オールメタル対応のIHクッキングヒーターは、非対応のものよりも上位機種のため価格が高くなります。
上位機種を選択すると、オールメタル対応以外の付加機能も付くため、新築の際のオプションの選択によっては5万円~10万円程度高くなることもあります。
5万円~10万円かけてでもオールメタル対応の上位機種を選択すべきでしょうか。
考察してみました。
IHクッキングヒーターの掃除についてはこちら。
IHクッキングヒーターのオールメタル対応とは?
標準タイプのIHクッキングヒーターは、鉄かステンレスの鍋やフライパンしか加熱できません。
オールメタル対応とは、「全てのメタル(金属)」を加熱することができるというものです。
鉄とステンレス以外のアルミや銅などの素材のものでも加熱することができます。
パナソニックと日立がオールメタル対応のIHクッキングヒーターを商品化していますが、2021年1月現在、三菱電機にはオールメタル対応機種は無いようです。
ただし、オールメタル対応と言っても、鉄やステンレス以外の、アルミや銅の鍋等を加熱する際には、火力が10~20%程度落ちるとのことです。
和食でよく使用する雪平鍋や昔ながらの両手鍋、イタリアンで使用するアルミフライパン、業務用の寸胴等も使用できるので、使用する鍋やフライパンにこだわりがある場合はうれしいですね。
我が家のIHクッキングヒーター
我が家は2018年に新築しました。
当時オプションで選択できた、パナソニックのKZ-V573Sを設置しており、3口のうち右側だけがオールメタル対応です。
オールメタル対応と非対応とで火力差はあるのか
なんとなく、オールメタル対応のほうが、何の金属でもいけちゃうのだから火力が強いのではないか、なんて思ってしまいます。
そこで、比較してみました。
片口ずつ使用した場合
シリットのミルクポットに1Lの水を入れて、IHクッキングヒーターの右側(オールメタル対応)と左側(オールメタル非対応)とでお湯を沸かしてみます。
火力は、”自動湯沸し”を選択。
結果として、常温(1月)の水道水が沸騰するまでに要した時間は、右側(オールメタル対応):3分28秒、左側(オールメタル非対応):3分31秒でした。
3秒の差は誤差の範囲と思われるので、オールメタルに対応か非対応かで火力に差はありません。
念のため、ティファールの鍋でもやってみます。
結果としては、右側(オールメタル対応):5分39秒、左側(オールメタル非対応):5分21秒でした。
この18秒の差も誤差の範囲でしょう。
やはり、オールメタルに対応か非対応かで火力に差はないようです。
右も左も3.0KWの出力と記載があるのだから当たり前だろ…
それよりも気になったのは、シリットのミルクポットの方が、ティファールの鍋よりも2分も早くお湯が沸いたことです(ティファールの鍋で沸かす際にも蓋はしました)。
シリット社(ドイツ)のミルクポットは、ポットの中に熱循環を作り出すことで効率よく加熱します。また、表面素材にはシリット社が独自に開発した堅牢な「シラルガン」を使用。「シラルガン」は約30種類の天然鉱石を独自の比率で調合したもので、ガラスと同じ中性でキズやひび割れにも非常に強いので、引っ掻いたり叩いたりしても大丈夫。変形の心配も無く末永く使えます。お湯やミルクを温めるだけでなく、揚げ物や煮物、炊飯もでき、ひとつでマルチに対応できます。
飲料用のお湯を沸かすのは、我が家ではシリットのミルクポット一択です。
ただ、我が家のインテリアを考えたら、赤ではなく黒の方が良かったかも…
両口同時使用した場合
ついでに、オールメタル非対応・対応の左右同時で湯沸かしした場合、お湯が沸くまでの時間に変化があるのか試してみました。
まずは右側(オールメタル対応)にシリットのミルクポットを、左側(オールメタル非対応)にティファールの鍋の場合です。
条件は先ほどと同様で、1Lの常温の水道水をメニュー”自動湯沸し”で加熱します。
結果は、右側(オールメタル対応、シリットのミルクポット):5分15秒、左側(オールメタル非対応、ティファールの鍋):右側が沸くと沸いていないのに自動停止となりました。
左右両側の同時で最大火力を発揮できないため、右側(オールメタル対応)であっても、単体で加熱した場合よりも約1.5倍の時間を要しました。
左側(オールメタル非対応)に至っては、右側(オールメタル対応)でお湯が沸くと何故か沸いたと誤認したのか停止してしまいました。
左右同時で”自動湯沸し”を使用するシチュエーションはほぼないかと思いますが、自動ではうまくお湯が沸かない場合がありそうです。
次に左右を入れ替えて、右側(オールメタル対応)にティファールの鍋を、左側(オールメタル非対応)にシリットのミルクポットの場合です。
結果は、右側(オールメタル対応、ティファールの鍋):5分29秒、左側(オールメタル非対応、シリットのミルクポット):4分40秒となりました。
この結果はよく分かりません。
右側(オールメタル対応)は、ティファールの鍋の場合は、片口でも両口同時加熱でもお湯が沸くまでに要した時間はほぼ同じです。
水温や水量が厳密に同じではなかったためでしょうか…
結論
オールメタル対応と非対応とでは火力差はなさそうです。
ただし、左右両口を同時使用等、2つ以上のヒーターを同時に使用した場合は、総消費電力量を超過しないようにするため、IHヒーターの火力が自動的に制御されるので、それぞれの火力が落ちる場合があります。
また、その際の火力制御のプログラムまで分かりかねますが、鍋の材質との相性等の要因で、単純に両口で同じように〇〇%の火力減となるのではないようです。
結局オールメタル対応は必要なのか
IH対応の鍋やフライパンばかりを選べば、オールメタル対応にする必要はありません。
しかし、オールメタル対応の上位機種には、オールメタルに対応しているというだけでなく、他の付加機能もあるので、その点も含めて考慮する必要があります。
ラクッキングリル
パナソニックの機種に関して言えば、ラクッキングリルは非常に便利です。
調理の種類によって適切に火力を加減してくれるので、基本的に食材を放り込んでおくだけで調理できます。
多機能で使いこなしてはいないので、我が家では魚を焼くの専用ですが、さんまもサバも勝手に上手く焼いてくれるのでそれだけで価値があったかと思います。
ただし、円形ピザや鶏まるごとのローストチキン等を焼くには庫内が小さく、オーブングリルの代わりにはなりませんので、そちらを使用する場合はラクッキングリルが必要かは要検討です。
ラクッキングリルには大型のものは入らないので、我が家ではラクッキングリルはほぼ魚専用機として使用(稀にグラタンとか)し、パン、ピザやチキン等はデロンギのコンベンションオーブンを使用しています。
自動湯沸し機能
自動湯沸し機能に関しては、無かったら無いで困りはしないのですが、お湯が沸くと勝手に消えてくれるので、多少目を離しても大丈夫という安心感があります。
ただ、全力で湯沸しし、沸騰した後しばらく経ってから保温に移行するので、目を離すとお湯が吹きこぼれていることは良くありますが。
前述の比較の際にもこの”自動湯沸し”で比較しましたが、1Lの常温の水が約3分半で沸くので非常に便利で多用しています。
まとめ
料理の幅を広げたい、手持ちの銅やアルミ材質の鍋やフライパンを引き続き使用したい、鍋やフライパンを選ぶ際にIH対応だけに制限されたくないといったことであれば、少なくとも一口をオールメタル対応にしておけばいいと思います。
鍋やフライパンは銅やアルミ材質のものしか許さん、ということでもない限りは、2口両方をオールメタル対応にまでする必要はなく、1口だけで必要十分かと思います。
ただ、1口オールメタル対応から2口オールメタル対応にアップグレードする価格差は、新築の際のオプション選択では数万円程度の差だったので、安心材料としてアップグレードする分にはありですね。
我が家ではコストコのトラモンティーナというフライパンを多用しているため、1口はオールメタル対応でよかったと思っています。
トラモンティーナは値段の割にはフッ素加工が強く、少々手荒に扱っても耐久性が良いので我が家では手放せなくなっています。
なんとなく、オールメタル対応の方が火力が強いような気がしていたので、両口ともオールメタル対応にしとけばよかったとも思いましたが、今回確認してみたところ、火力差は気のせいだったようなので、オールメタル対応は1口で問題なかったと結論付けました。
以上、オールメタル対応を選ぶべきかの考察でした。
オールメタル対応を選ぶべきか迷われている場合の参考になれば幸いです。