CMもバンバンしてて話題のRakuten UN-LIMIT2.0。
本当に1年間無料なの?通信速度はどうなの?実際にMNP転入してみて、そのメリットとデメリットについて記載してみる。
まずは大手キャリアと格安SIM(MVNO)について
【簡潔に!】大手キャリアと格安SIM
大手キャリアとは言わずもがな、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社。
3大キャリアなんても言うが、これら3社は自前の基地局等による通信設備を持ち、サービスを提供している。「MNO」とも呼ばれる。
MNOは「Mobile Network Operator」の略で、日本語で言えば、「移動体通信事業者」。
対して、格安SIM。「MVNO」と呼ばれる。
MVNOは「Mobile Virtual Network Operator」の略称。日本語で言えば、「仮想移動体通信事業者」。
例えば、UQ mobile、IIJmio、mineoなどで、NTTドコモなどの携帯電話会社から通信回線を借り受け、店舗や人件費を限ることで運営コストを抑えることで、料金の安い通信サービスを提供しているのである。
格安SIMは自前の通信設備を持たず、NTTドコモ、au、ソフトバンクから通信設備を借りている!
大手キャリアから通信設備を借りているが故、格安SIMでは、回線が混雑している時間には通信が遅くなることも・・・
そりゃ大手キャリアは自分んとこのお客を優先するはず。
楽天モバイルは格安SIM!?
楽天モバイルは、今までキャリアから回線を借りてサービスを提供(MVNO)していたが、2020年4月からはキャリアサービスの提供を開始。
つまり、自前の通信設備を持つことで、脱格安SIMを目指しているということ。
目指していると言うのは、現状、NTTドコモ、au、ソフトバンクほど通信設備が充実しているとはいえず、自前の通信設備でサービス提供ができないエリアに関しては、まだ大手キャリアより通信設備を借り受けてサービスを提供しているからだ。
つまり、NTTドコモ、au、ソフトバンクに次ぐ第4のキャリアとなるが、まだ発展途中ということ。
Rakuten UN-LIMIT2.0へのMNP転入記録
前提(ヤクトのUN-LIMIT2.0移行前の環境)
使用機種
現在の使用機種はHUAWEI(ファーウェイ)のP20。HUAWEIはアメリカが使用拒否だったりいろいろあるけれど、P20に関してはいい機種と言える。それはまた別の機会に。
Rakuten UN-LIMIT2.0には、利用できる楽天回線対応製品が示されているところだが、このP20は楽天回線対応機種ではありません。
HUAWEI P20は楽天回線非対応機種だが、ヤクトのP20は結果としてRakuten UN-LIMIT2.0での動作が確認できました(但し一部制約あり。後述します)。
P20含め楽天回線非対応機種で開通させる場合の参考となれば幸いです。
楽天回線対応機種以外でUN-LIMIT2.0を申し込む場合は自己責任で!
使用地域
居住地は関東。東京の隣接県。通勤で都内と往復。通勤は地下鉄を利用。
居住地、職場ともにサービス対象エリア内のどピンク(楽天回線のエリアについては後述します)。
通信料
1カ月の使用量は、データ通信料で10GBを超えるくらい。15GB欲しいかなー。
通勤時にYOU TUBE等の動画を見るのが最大のパケット使用で、外ではあんまり重い使い方はしない。そのため、莫大なわけでもなく、少なすぎるわけでもなく、それなりの通信量。
自宅では光回線から飛ばしているwi-fi使用のため、パケット消費は無し。
月末にはパケット使い切って通信制限(最大通信速度が「200kbps」に制限)がかかることも多々。
キャリア
Rakuten UN-LIMIT2.0を申し込む前はmineoを使用。なのでmineo → 楽天モバイル のMNP移行になる。
特にmineoに大きな不満があったわけではないが、無料に魅かれ、UN-LIMIT2.0の1年間無料サービスに乗っかてみることにした。
楽天モバイル Rakuten UN-LIMIT2.0の特徴とは
目玉となっているのは、
- プラン料金 2,980円/月が1年間無料
- 高速で完全データ使い放題
- 国内通話使い放題
ですね。それぞれについて解説します。
✔ プラン料金 2,980円/月が1年間無料
先着300万名が対象のキャンペーン。申込み人数が超過した時点で終了と思われるが現時点(9/3時点)まだ終了していないので申し込み可能。
大手キャリア、例えばドコモでは安くても3,980円~(「ギガホ」毎月30GBまで通信制限なし、通信制限後の最大速度は1Mbps)であり、しかも当プランは、ドコモdカード払いor契約2年縛り、家族3回線以上ドコモ、ドコモ光の契約が要セット、と条件も厳しく、条件をクリアしても7か月目以降は4,980円となる。
上記条件を満たさない場合は、通常料金6,980円である。更に、音声通話は別料金だし、何かしらオプションを付ける可能性も高いだろう。
MVNOでは、例えばmineoを挙げると、20GBプランで4,590~5,030円、30GBプランで6,510~6,950円となっている。
こちらは音声通話料込だ。通信制限後の最大通信速度は200kbpsである。
同容量のプランでも価格差があるのは、使用回線による差で、ドコモ、au、ソフトバンクのどの回線を使用するかでそれぞれ若干異なってくる。通信設備の賃料が異なるからということか。
いずれにしても、1年間無料というのは、Rakuten UN-LIMIT2.0のプランでは年間35,760円(2,980円×12カ月)、大手キャリアのプランからすると軽く見積もっても年間60,000円(5,000円×12カ月)得するということである。
今どき携帯料金を払わない人なんてほぼいないだろうから、年間60,000円の不労所得が得られると思えば、少々キャリアを変える手続きがめんどくさくても、やらない手はないのである。
価格面で言えば、1年間無料はありえない程お得
✔ 高速で完全データ使い放題
楽天回線エリア内では高速で使いたい放題。パケット上限はないのでパケ死はしなくなる。
ただし、楽天回線エリア外(パートナー回線エリア)では、データ容量5GB/月までで、5GBの容量を超過後は最大1Mbpsでという制限が発生する。
楽天回線エリアについては順次拡大中とのことだが、現時点の状況は楽天モバイルHPより確認できる。
とりあえずの例として、どこが楽天回線エリアでどこが楽天回線エリア外なのか、現時点の地図を貼っといたので参照されたい。
上記地図を見ると、まず、自分の行動範囲が全て楽天回線エリア内(上記地図の濃いピンク色)の方はパートナー回線の通信容量上限も全く気にする必要がなく、何も問題がない。
但し、現時点では、楽天回線エリア内であっても地下鉄はパートナー回線エリアだし、上記地図上では楽天回線エリアとなっていても、実際にはパートナー回線の通信となってしまうエリアがあるので注意である。
我が家も地図上は楽天回線エリア内なのに、実際にはパートナー回線の電波を使用してしまっている(;_;)
ただ、パートナー回線での容量5GBを超過して通信速度制限がかかったとしても、最大1Mbpsの速度は出るので、やたら重い使い方をしなければそこまでストレスはない。
通信速度の目安については以下のとおり。通信速度は上り(送信、アップロード)と下り(受信、ダウンロード)があるが、ここでは下りの方のこと。
通信内容 | 推奨速度 |
メール、LINE、WEBページ閲覧 | 1Mbps |
動画(SD480p) | 1.2Mbps |
動画(SD720p) | 2.5Mbps |
動画(SD1080p) | 5Mbps |
動画(4K) | 20Mbps |
楽天モバイルのアプリ、「my楽天モバイル」に速度測定の機能がついていたので、実際の速度を測ってみた。
まずは、速度制限のかかっていない、楽天回線エリア内の通信速度。
受信速度で39.8Mbpsが出ており、かなり早い部類と思われる。上記の通信速度の目安によると、4K動画もストレスなく視聴できる速度が出ていることになる。
そして、楽天回線エリア外で1Mbpsの通信速度制限がかかった後。
1Mbpsの速度制限がかかっているはずなのに、なぜか受信で7.8Mbpsと1Mbps以上の速度が出ている。
念のため別のアプリで再測定してみる。使用したのは「Speedtest」というアプリ。
今度はちゃんと?1Mbps以下の速度。
「my楽天モバイル」のアプリの測定結果が正しいのか、「Speedtest」のアプリの測定結果が正しいのかは不明だが、1Mbpsの速度制限がかかっていることを考えると、「Speedtest」の測定結果が信用できそうである。「my楽天モバイル」で速度が早めに出てしまうのは忖度なのかなんなのか。
とはいっても、前述したように、1Mbpsの通信制限がかかっていても、自分の使い方では大きくストレスを感じたことはない。
重めのHPを開くときに若干時間がかかるのと、YOU TUBE視聴の際にたまにロード時間で止まってしまうことがあるくらい。480pの画質で視聴する際には、止まってしまうこともほぼない。
実際には1Mbps以上の速度が出ているような気がしなくもないのである。
✔ 国内通話使い放題
「Rakuten Link」アプリを使用した場合、国内通話使い放題となる。時間無制限の完全かけ放題で、通話料金はかからない。
というか「Rakuten Link」を使わないと電話はできない。とはいっても、いちいち「Rakuten Link」のアプリを起動させなくてもGoogle等の電話帳から直接電話をかけられるので、これまでの音声通話と使用感に差は無い。
音質やときどき途切れる感じは、Line通話の感じに近いかな
インターネット回線を使用したIP電話では無いらしいが、まだ現段階では音質があまり良いとは言えない。音声通話の質や安定性を重視する方にはちょっと微妙かもしれません。
自分のような楽天回線非対応機種でRakuten UN-LIMIT2.0使用する場合の最大の問題点がこの音声通話にあり、フリーダイヤル(0120や0800から始まる番号)と緊急通報等(119番、110番、時報の117も)に電話を発信できないので注意が必要です。
緊急通報はかける機会がなかなか無いけど、フリーダイヤルはクレジットカード会社だったり携帯電話会社だったり意外とかけることあるのよね…
110番や119番はかけることはあまりないだろうけど、いざという時のために最寄りの警察や消防の電話番号を把握しておくとか、フリーダイヤルかける際には固定電話だったり身内の電話を借りるとか、そもそも2台持ちやデュアルシムにするとか対策が必要ですね。
MNP転出入の流れ
実際のMNP転出入を時系列でまとめると以下のとおりでした。
- 7/22MNP転出手続き
- 7/22Rakuten UN-LIMIT2.0申込み
- 7/24SIM到着
- 7/28MNP転入手続き
- 7/29開通
MNP転出手続き
現在契約している携帯電話会社のショップ、電話、Webサイトにて「MNP転出」の希望を伝え、MNP予約番号取得。
ちょっと前までは電話でしか対応してくれなかった記憶だが、今やオンラインのみで転出手続き可能なとこが多い。
Rakuten UN-LIMIT2.0申込み
同時にRakuten UN-LIMIT2.0へ申込み。公式サイトより「申し込み」ボタンを押下し、画面に沿って進むのみ。
新規契約の場合は「新規電話番号でお申し込み」、他社からの乗り換えの場合は「他社から乗り換え(MNP)でお申し込み」を選択。
自分の場合は所有のHUAWEI P20を使用したかったので、「他社から乗り換え(MNP)でお申し込み」からの、「SIMカードのみ」のプランを選択。
申込みの際にはMNP有効期間が「10日以上」残っているMNP予約番号が必要なので注意。
SIM到着
SIMが郵送にて到着。早い。申し込みから約1日半で到着。
MNP転入手続き
SIMと同封されていた転入手続きの手順に従うのみ。
アプリ「my楽天モバイル」をP20にインストールしてMNP転入に備えるも、しばらくは自身の管理画面が更新されないので転入手続きが進められず。
アプリ内の”申込み履歴”から”MNP転入する”とボタンを押下しなければならないのだが、”申込み履歴”にアクセスしようとするとアプリが強制終了してしまうのだ。パソコンからアクセスしてもページが見つかりません、となる。
なにか不具合かと心配したが、どうも処理が追い付いていない模様である。楽天モバイルでは手続きやお問い合わせ全般、気長に待つことが肝要だ。
ま、無料だからいっか
MNP転入が手続きできるように画面が更新されるまでには2、3日を要した。
MNP転入を手続きしても日数がかかる可能性もあると考え、自身のスケジュールと頃合いを見計らって”MNP転入する”とボタンを押下。
夜22:00ころ手続きしたのだが、9:00~21:00までの転入手続き申込みは申込み当日に完了するが、時間外の申し込みは翌日9:00以降に反映されるとのこと。
ほんとにそんなにすぐ完了するのか!?(疑
そして開通…
翌日朝一から使用できなくなるかと思ったが、10:30ころまでは今までどおりmineoで使用できていた。
いつ切り替わってもいいように、P20にはmineoとRakuten UN-LIMIT2.0のSIMカード2枚差しで挑んでいたが、10:30ころから突然電波が無くなり使えなくなる。
まさかね、なんて12:30ころSIMを入れなおしてみると、開通していることが確認できた。
転入の操作(HUAWEI P20の場合)について
自分のP20に関しては、APNの初期設定も何もせず、SIMカードを入れるだけでRakuten UN-LIMIT2.0が開通できた。
通常、デュアルSIMは使用しないが、出先で2枚SIMカードを持つということに、SIMが2枚差しできるデュアルSIM機能が初めて役に立った。(結局入れなおさなければ開通はできなかったけど…)
ただ入れただけ~
Rakuten UN-LIMIT2.0の使用感と転入のまとめ
まず、楽天回線エリア内で速度が出ているのは確かである。
mineoを使用している際には、自分含め世の社畜どもの出勤時間9:00頃と昼休憩時間12:00頃に、やたら通信速度が遅くなるという現象があったがそれが無いのはすこぶる快適である。
また、楽天回線エリア内に限るが、使い放題のため今月の残りパケットを気にしながら使用しなければならないというストレスからも解放される。
パートナー回線での5GBを使い切っても楽天回線エリア内は使い放題なので、楽天回線エリア内に居住していなくとも、大都市に出勤するようなサラリーマンにはうれしいはず。
ただ、一方で、受付等の対応処理が追い付いていないことによる、手続き・問い合わせ回答に時間がかかるという事象が発生しているようで、その点は受け入れる必要がある。
また、まだまだ途上ということで、通信の安定性が劣っていたり(日によってストリーミング動画がやたら止まると感じることがある。特にパートナー回線での通信速度)、大きな通信障害が生じる可能性もある。
楽天モバイルでは2020年5月、6月にも通信障害が発生しており、2019年10月の通信障害では総務省より行政指導を受けている。改善していっているとは思うが、まだこれからも発生する可能性はある。
それらメリット、デメリットを天秤にかけ、デメリットを許容できるのであれば是非お勧めする。最大のメリット、1年間無料であることもお忘れなく。
Rakuten UN-LIMIT2.0が1年間無料の意義を、自分は1年後には3大キャリア並みになるという決意であると受け取った。
まだ3大キャリアの寡占体制への挑戦は始まったばかりなので、あくまでも”使用”ではなく”試用”である捉え、応援する気持ちでいたい。
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